思わず二度見しました。認認介護ですって⁉ ちなみに読み方は「にんにん」です。
80代の認知症の父を同じく80代の母が介護するというのが、我が実家の現状です。この老老介護状態でも日々様々な問題が発生しますが、上には上があるようです。父は介護保険を使って週に5日のデイサービスにお世話になっていますし、娘の私も現在無職で毎月のように実家に出入りしていますので、比較的恵まれた境遇とは思っていました。今朝までは、いやいやここのところそう思わなければと自分に言い聞かせていましたというのが、正直なところです。
物騒なはなしではありますが、「介護対象者を殺したいと思ってからが介護の本番と思え」、なんて言われたことがあります。実際、24時間寝たきり状態の成人を家庭で介護するのは、心身共に過酷なものでしょう。対象がたとえ我が子であったとしても、私など辛く感じそうですが、そこには成長を見守るという喜びはありそうです。けれど成人それも親が対象の場合、介護の終わりは親の死だったりしますから、考えるだけでも気が滅入りそうです。
いまや日本のあらゆるところで、多くの人が介護の問題に直面して居るのではないでしょうか。介護の種類を少し調べただけでも、介護の半数以上を占めているという老老介護、認知症の人が認知症の人を介護する認認介護、高齢者介護と子育てなど複数のケアをしなければならないケースをダブル介護、あまり聞いたことがないけれども、息子が親の介護をするケースを息子介護というらしいです。いやはや参りましたといった感じです。
2000年に日本の介護保険制度は創設されましたが、それまでも介護問題がなかったはずはありません。そもそも人がいまほど長生きではいなかったのもありますが、強固な家制度のなかでは、嫁と呼ばれる立場の人がその負担を担っていたのではないでしょうか。だから、息子介護などと呼ぶケースがあるのでしょう。
介護制度は整いつつあるとはいえ、いざその生活が始まると、まだまだ厳しいというのが実状です。認認介護など、危険と背中合わせといえるでしょう。どうか、両親が平穏な老後の日々を過ごせますようにと、祈るような毎日です。
コメント