産後ケア事業はチェック済みでしょうか?
子どもが1歳になるまで受けられる自治体(市区町村)が担う事業です。2022年度に住民税非課税世帯限定に産後ケア利用料の補助がスタートしていましたが、利用者全員を補助対象とするよう6月30日付で国から自治体に通知がありました。金額は1回あたり2500円、回数は5回までと設定されていますが、育休が取りづらい環境にある人にとっては朗報と言えるでしょう。
多かれ少なかれどんな職場でも、育休の取りづらさはあるのではないでしょうか。スタートした頃は若い女子職員が取得していたものなのですから、育休取得者の仕事を取得中どうするかについてはあまり考えてつくられた制度ではないと思われます。そのうえにいま、ありとあらゆる職業の様々なキャリアの女性を、そしてついには男性までもをのせようとしているのですから、育休が取りづらいのは無理もありません。
取りづらい理由が、職業上のキャリア形成の問題だけならば取らなければ済みますが、育児環境がそれを許さなかったり、育休中の職場の問題が取得を難しくしているのは想像に難くありません。
現在日本の病院で出産した場合の平均入院期間は、正常分娩で6日間・帝王切開で8日間と短縮傾向にあるようです。それでもまだ欧米諸国と比べると長いようで、日本の感覚でアメリカで出産した人が翌々日に出勤して「昨日は何していたの?」と聞かれて驚くこともあるそうです。それだけを聞くと欧米人とアジア人の体格の違いに目がいきがちですが、欧米では正常分娩の多くに無痛分娩があることも理由ではないでしょうか。日本に多い自然分娩の場合、無痛分娩と比べ母体のダメージは大きいと思われます。
産後の女性は、ホルモンバランスの変化や慣れない育児により、心身の不調に陥りやすいといわれています。環境が許すなら産休・育休を取得すればよいのですが、そうでない場合には心身の負担軽減のために産後ケアサービスの利用を考えてはいかがでしょうか。その費用がネックとなる場合には、自治体の産後ケア事業をうまく活用したいものです。育休が取りづらいならば、産休明けにあえて利用するのもいいかもしれません。
幸いなことに、産後ケアサービスの利用に対する世間の偏見が薄らいできているように思います。育児は母親の仕事といった古い認識のもとでは、費用の問題よりも世間の目がそれを許さない雰囲気がありました。実際問題そういったサービスの提供も少なく、得てしていまよりももっと高額なものでした。
金額的にはささやかとも感じますが、補助制度も整いつつあるといえるでしょう。様々な制度を駆使して、産後の時期をうまく乗り切ってほしいと願ってやみません。時代の風潮に逆行しているかもしれませんが、育休が取りづらいならば取らない、取るとしてもなるべく短期間で済ます方向でもいま一度考えて、自分の生活スタイルにあった子育て生活をチョイスしたいものです。
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